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発達障害の子供の成長には周りの理解が絶対に必要

この記事は発達障害のお子さんを育てる親御さんに書いていただきました。

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 私の息子は広汎性発達障害「アスペルガー症候群」の診断を受けています。小さいころから一人遊びが多く、スキンシップを好まない子供でした。今でもコミュニケーションや自分に触られることが苦手です。

 小学5年生で発達障害の診断を受けた時には「そうだろうな」という思いがあり受け入れることは難しくありませんでしたが、息子は1日学校を休みました。学校に行かなくなるのではないかと心配していました。

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先生の理解で何事もなく過ごせた小学校時代

 1日休み、次の日はいつも通りに学校に登校しました。担任の先生には診断を受けた日に報告に行っていました。「今まで通りでいいと思います。困ったときに考えましょう。」と言っていただきました。

 学校生活では友達とのコミュニケーションが難しいこと。学年が上がるにつれて先生の指示が略され、言葉をそのまま受け取る息子にとっては理解でいないことが増えてきました。指示通りに動く友達を見て動くといった感じだったようです。

 また、3つ以上の指示を覚えておくことがとても苦手だったようです。小学校6年生になると困っている息子が目に付くことが多くなり、担任の先生から息子のことを「クラスの子供たちに話して助けてもらいましょう」と提案されました。

 私は、隠すことはないと思っていましたし、息子にも自分をしっかり受け入れてほしいと思っていましたので息子と話し、お話してもらうことにしました。息子と距離を置く子。積極的にお世話をしてくれる子。反応は様々でしたが学校生活で困ることは少なかったし、周りとも決して悪い関係ではなかったと思います。

どこまで発達障害を理解してくれるのでしょうか

 中学生になり、息子の生活は変わりました。新しい校舎。新しい教室。新しい先生。教科ごと先生も変わり、変化に弱い息子は戸惑いばかりで学校に慣れるまでがとても大変でした。

 部活を同級生が始める中、息子だけは学校に慣れることを最優先に部活には入りませんでした。しかし、結果それが小さないじめの始まりになりました。無視される。靴がなくなる。ロッカーにゴミが入れられる。学校に行くことがしばらくできなくなりました。

 先生から「部活をやってみては」と提案され、仮入部という形で入部。部活を始めた途端にいじめは一切なくなりました。集団が苦手な息子はたくさんのストレスを抱えながら部活動を頑張っていたと思います。帰ってくるととても辛そうにしていました。

 そんな生活に光が見えたのは担任と部活の顧問の対応でした。学校でクールダウンをするための落ち着く居場所作りを誰もが納得する理由をつけて作ってくれたこと。クラスメイトと息子との関係性や距離感をうまく保ってくれたこと。

 部活動では、息子が分かるように動作と説明をしながらの指導。ダメなときは時間がかかってもきちんと説明し、よかった時は声に出して褒めてくれていました。周りとの関係もとてもうまくいっていたと思います。

 このまま卒業できればと思っていましたが、うまくいかなくなる時が来てしまいました。息子のことを「特別扱い(先生が息子にしてくれる配慮に対して)」とか「わがまま」「変わった子」と言われても仕方ないと思っています。理解できない同級生は必ずいます。

 しかし、またいじめが再開するとは思ってもいませんでした。無視され、ゴミが入れられ、物がなくなる。息子は部活に行けなくなりました。学校もしばらく行けませんでした。自分の腕をコンパスで傷つけ自傷行為も始まってしまいました。行き場のないストレスをどれだけ抱えていたのでしょう。体がうまく動かなくなり、食事を摂れなくなりました。二次障害の現れです。今は少し落ち着き、学校へは通っています。

発達障害を理解してほしいと思うことは親のエゴ?

 私は、発達障害をできるだけたくさんの方に理解してほしいと思っています。発達障害の子供が成長する過程で周りの理解をどこまで得られるかは将来に大きく影響すると思っています。

 集団生活が苦手な息子にとって学校生活は周りの大人の支援なくして過ごせない。そして、学生生活で息子なりの世の中とのコミュニケーションの取り方を習得してほしい。みんなと同じように働き、普通の生活ができる大人になってほしい。そうなるために、発達障害の子供の育ちには周りの理解が必要です。引きこもる人が多いと言われていますが、一定数、発達障害の人もいると思います。社会に出る前に出来るだけ周りのサポートで上手く人生を生き抜く方法を自身で学んでほしいと思っています。

 苦手なことの多い息子を理解してほしいと望むことは私のエゴなのでしょうか。

[参考記事]
「アスペルガー症候群の小学生の息子の性質と頭囲について」

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