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発達障害に気付いたきっかけは拒食症だった

この記事は20代の女性に書いていただきました。

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 発達障害といっても、多くの種類がありますが、私は発達障害の中でも注意欠陥・多動性障害(ADHD)です。この障害と戦ってもう15年になりますが、私のまわりには理解してくれる人がいなくてとてもつらい日々を過ごしていました。ですから、少しでも多くの人にこの障害のことを理解してほしいと思います。

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発達障害に気付いたきっかけ

 私が発達障害であると気づいたのは、大人になってからでした。実は高校生の時に拒食症になり、その反動で社会人になってから過食嘔吐を繰り返す摂食障害になり、心療内科や精神科を転々としていました。ある時、摂食障害に特化した心療内科を見つけて、少し家からは遠かったですが、通院することにしました。

 通院してカウンセリングを受けていく中で、発達障害という診断を受けました。発達障害の子は完璧主義でありながら自己意識(プライド)が低いため、「こうでなければならない」という意識が強いのに「自分はダメな子なんだ」と思ってしまい、摂食障害や醜形恐怖症などを発症してしまうとのことでした。

 発達障害は、簡単な検査で判定することができます。病院に進められて、WAIS-IIIという試験を受けることにしました。

 この試験は、成人の知能を測定する試験で、だれでも受けることができます。病院によって検査料は様々ですが、2000~10000円くらいです(カウンセリング料金や基本受信料を含みます。)。

 検査内容は、カウンセラーの先生と一対一になり、簡単な計算問題やパズルを解くのが主で、難しいものはありません。また、心理テストのような感じで絵をかいて、その絵について説明をするというのもありました。1時間程度の検査で、検査結果は後日ということになりました。

 二週間後くらいに結果が来ました。WAIS-IIIでは、言語性、動作性、言語理解、知覚統合、作動記憶、処理速度の6つの項目を検査内容から数値化して、IQを提示するものです。

 一般の人は各項目が同じ点数で検出されますが、発達障害の人の特徴はできる項目はずば抜けて高い点数ですが、できない項目はとても点数が低い結果が出るとのことです。私も処理速度はとても高かったのですが、言語理解にとても低い結果になりました。これによって、自分は何が得意で何が不得意なのかが明確にすることもできました。

 そこでやっと私は自分が発達障害ということに気が付きました。これは大人になってからのことでした。もちろんとてもショックでした。当時の私はとても失礼ですが、発達障害のイメージは学校もいけないし、一人で生きるのは大変なんじゃないかというイメージがあったからです。まさか自分が発達障害だなんて。と思いました。

 しかし、今までずっとつらい思いをしてきていたので、なぜ自分が辛い思いをしてきたかの理由が分かり、とても解放された気分にもなりました。

辛かった学生時代

 私は小さいころから片付けができない、言われたことをすぐ忘れてしまうことがしょっちゅうありました。極めつけは忘れ物です。ほとんど毎日忘れ物をしていました。学校では“忘れ物の女王”として先生からもからかわれました。

 母親には学校から電話があったり学校に呼び出されることもありました。私は毎晩持ち物を確認しているつもりなんです。母も確認してくれたんです。それでも宿題を忘れたり、お弁当を忘れたりしていました。母には、「どうしてできないの」と泣かれたり叱られるばかりです。自分でもどうして出来ないんだろうと自分を責めてばかりでした。

 大きくなるにつれて、集中力がさらに欠けました。忘れ物は相変わらずで成績は落ちるし、内申点も下がるしで最悪でしたが、スポーツと美術の面はとびぬけて得意でしたので無事に工業系の美術科のある高校へ進学しました。

 途中で上記でも書きましたが拒食症も発症し、大変な高校生活を送っていましたが、忘れ物が多く、ぽやぽやした性格だったので「おっちょこちょいなキャラ」としてみんな優しくしてくれました。

現在

 今は社会人5年目になりました。病院で発達障害と診断されて2年の月日が経ちました。仕事をしていますが相変わらずの忘れ物、報告書や誤字脱字ばかりで上司に怒られてばかりです。自分では読み返しているつもりなんですけど相変わらずです。

 今までは、なんで自分は忘れ物してしまうんだ、なんで誤字ばかりなんだ、なんで自分はできないんだと自分を責め、落ち込む日々でしたが、発達障害(注意欠陥障害)と診断されたからこそ、「あぁ、また注意力が欠けてしまっていたな。」と自分を慰めることができるようになりました。

 上司にも自分には発達障害があることは伝えました。もちろんミスがないように人一倍注意する意識を持つが、それでも無理かもしれない。そんな時はサポートして欲しいということを伝えました。理解のある上司でしたので、もちろん怒られることもありますが、何度もチャンスを与えてくれています。

 もしもう少し早く病気に気付いていたら、母も先生ももう少し協力してくれていたかもしれないし、自分自身もあんなに悩んで苦しい思いをしなかったかもしれないと少し思っています。ですが、拒食症が無ければ一生発達障害の存在に気づかなかったかもしれいことを思うとまだマシと言えます。

 まわりに、私のような発達障害の人がいるかもしれません。そんな時、頭ごなしに怒らないであげてください、きっとその子も必死に生きています。自分のできないことを理解しつつも、なんとかできるように一生懸命やっていると思いますので、少しだけ力を貸してあげて欲しい。

[参考記事]
「発達障害のグレーゾーンの長女の性質。小学校から顕著に」

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