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発達障害によりコミュニケーションが取れなくて悩むあなたへ

 

この記事は30代の女性に書いていただきました。

……..

 いじめられて学校へ行けなくなった。どこへ行っても浮き上がる。友達が欲しくてたまらないけど、コミュニケーションが苦手。病院に行ったら発達障害だと言われたけど、じゃあ、どうしたらいいの?

 私自身もまさにそうでした。でも、同じ悩みを持つ人を見て、分かったことがあります。それは同じ発達障害のBちゃんのお陰でもあります。この記事ではBちゃんへの手紙という形式で書いていきます。

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Bちゃんへの手紙

Bちゃんへ

 お久しぶりです。自助グループ「X」ではお仕事で悩んでいるお話をされていましたが、その後いかがでしょうか?私は、自助グループから距離を置くことにしました。言いにくいのですが、あなたにつきまとわれるのが苦痛だったからです。

 あなたと出会ったのは「X」の交流イベントでしたね。当事者のグループいくつかで別れて、一日観光旅行を楽しむというものでした。年齢と性別が近いものがグループを作りました。お友達ができるかな・・と思い参加しました。

 満員のバスにいきなり隣に座ったあなたはいいました。

「あの~これ、食べます?」

 汚い(失礼)⁉リュックの中から取り出されたのはポテトチップスの小袋。その日購入したものでないことは、袋の汚れ具合とポテチの割れ具合で分かりました。

 初対面の人に合う時は、まず自己紹介した方がいいと思いますよ。人に食べ物を勧めるときは、相手の好みにあったものの方がいいと思います。賞味期限に心配のない、見た目のきれいなものを勧めましょう。

付きまとわれる

 自助グループのイベントには、友人も参加していたのですが、グループが別でした。Bちゃんと距離を置きたかったのですが、バスの席は満席で、移動する理由がみつからない。目的地までBちゃんはひたすらえんえんと話続けました。以下の会話はその時のイメージを出すためにあえて、句読点は打っていません。

「私は最近歌手の○○に夢中なんですよなんといっても顔がかっこいい私はジャニーズとかのイケメンが好きなんですイケメンのグループ最高です○○のデビュー曲の△△をラジオで聞いていいなと思ってファンになってネットでググったら顔もかっこよくてキャーってなってそれからファンクラブに入りました会費は年に二万円で消費税は別です高いと思ったけど高くてもイケメンだからいいなって思ってUFJ銀行に行って定期おろして・・・」
 句読点が全くないので、話すタイミングもなく「やめて下さい」と言えませんでした。

 そうこうしているうちに私のスマホの着信音。誰かからメールが来たようです。メールを見るふりをして離れよう。そう思ってスマホをのぞいたら、Bちゃんが上から覗き込んできました。

「人のスマホのぞくなんて失礼でしょう!!」

 声を荒げたら、私がいじめてるみたいになって、嫌な雰囲気になりました・・。Bちゃんは黙りました。そして、向こうを向いていいました。

「す~み~ま~せ~ん~ねぇ~~~~」(某漫才師風の口調)

 謝るときは相手をみて頭を下げることや言葉のニュアンスによっては相手を激怒させてしまうことがBちゃんには理解できていないようでした。

 しばらくバスにゆられてトイレ休憩。

「一緒にトイレに行きましょう」

 どうやら、先ほどのことはなかったかのように、Bちゃんにお友達認定されてしまったようでした。一緒には行きませんでした。帰ってくると私の方をじーーっと見つめ
「きょほほほほほほほほほほほほほ」と笑い(?)ました。コミュニケーションが苦手なのが良く分かりました。

困り果てて・・

 その後自助グループ「X」の集まりに参加する度に、Bちゃんは私にまとわりつきました。Bちゃん以外の友達と話していると、必ず割り込んできます。例の句読点のない話し方なので、怒るタイミングも計れません。私も大人げなく何度もキレましたが、効果はありませんでした。

 仲良し数人でお茶に行こうとすると、呼んでもないのについて来る。みんなで「ホットケーキのおいしいお店に行こう」と盛り上がっているのですが、彼女だけ別方向に急に歩き出します。Bちゃんがいない、と心配すると別のお店に入って注文をしています。
「このお店の方がいいと思いました」

 集団行動は無理なようです。

 迷惑極まりないのですが、Bちゃんも私も同じ発達障害。発達障害によりできないことを責めるわけにもいきません。私の立場はBちゃんと同じ単なる参加者。支援者でもなんでもないので、Bちゃんに指導するのも変です。

 何よりも、Bちゃん自身が色んなことに行き詰って辛い思いをしているのはよく分かりました。一般常識というものを理解したくてもできないということも。国立大学を出ていて、頭はとても良い人なのに。

 それなら、私がグループを抜ければよい。就職が決まって忙しくなったこともあり、自助グループを止めることにしました。

自分に似ている

 「X」の主催者さんからは時々連絡がきます、「たまには顔を出してよ~」。でも、Bちゃんにつきまとわれることを思うと、足が遠のかざるを得ません。わかっている。私にそっくり。だから、余計につらい。

 学校時代は「仲良しグループ」に参加しているはずなのに、私以外のメンバーだけでいつもどこかに遊びに行っている。一応、「仲良しグループ」のはずなのに、みんなが私のことだけは「格下」に扱う。頑張ってお友達を作ろうと思って人に話しかける。少し話して「友達ができた」と喜んでいたけれど、次に会ったとき明らかに嫌な顔をされる。なんで?どうして?の繰り返し。周りの大人に訴えても聞いてもらえない。新聞に載っている明らかな「いじめ」ではないから。

 人と関わりたい。関わり方が分からないから、Bちゃんみたいな奇異なやり方になる。奇異なやり方になればなるほど、人が離れていく。エンドレス。

 この文章を読んで、同じ辛さを再体験された当事者の方もおられるかもしれません。調子が悪くなられたらごめんなさい。

再びBちゃんへ

 Bちゃん、あなたを見ていて学んだことがあります。それは「コミュニケーションが苦手なら、とりあえずは黙っている」こと。無理して人の輪に入ろうとせずに、人が楽しそうに話している時はにこにこ笑って聞いていること。話しかけられたら最低限のことだけ答えること。上手にコミュニケーションを取ろうとしなくても大丈夫。

 何かの行事に参加するときは、行事のみに集中して、他人との接触は避けること(ジョギングのサークルなら走って帰るだけ)。友達を作ることよりも「あの静かな人、いつも参加されてるなぁ」くらいのポジションを目指すこと。

 無理して人に近づかなければトラブルは起こらないし、トラブルを起こさなければ社会の中でそれなりに居場所ができる。あなたを避け、自助グループを抜けてから、そんな形で居場所が沢山できました。逆説的ですが、あなたが教えてくれたことだと思っています。嫌味ではなく、心から感謝しています。

 Bちゃん、今、どうしてますか?あなたは賢いから、私とは違ったやり方で社会と折り合うことを学んでいるのでしょうね。発達障害の対処法が巷にあふれているけれども、生き方だけは自分で学ぶしかないですからね。ご活躍されていることを心から願っています。

 この文章を読まれているあなたにも学びの機会が訪れますように。「これこそが解決策だ」というものではありませんが、何かのご参考になればうれしく思います。

[参考記事]
「発達障害の自助グループに参加したけど苦痛でした」

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