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発達障害の二次障害で適応障害に。仕事中、涙があふれる

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この記事は30代の女性に、発達障害により二次障害(適応障害)になった経験を書いていただきました。

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 大人の発達障害を抱える方で、子どもの頃から発達障害の兆候があったにもかかわらず見過ごされてしまい、大人になってようやく診断が下りたという方は意外に多いのではないでしょうか。かく言う私自身もその一人です。

 小さい頃から典型的な発達障害の特性がみられたのですが、当時は発達障害という言葉自体知られてはおらず、周りの大人でそれと気づく人は誰もいませんでした。周囲からは「天然ボケ」「おっちょこちょい」として扱われ、人と少し違う点があっても、それは私の性格として捉えられてきました。私自身、自分に発達障害があるなんて考えたこともありませんでした。しかし、その認識は、成長するにつれ私を苦しめるようになっていきます。

[自己肯定感の低下]

 中学校に入学し、運動部に入部しましたが、注意散漫で常にミスばかり。脳のワーキングメモリが元々少ないため、次々に飛んでくる先輩や先生の指示は一向に頭に入ってきません。その結果、「やる気がない」「人の話を聞かない」と叱責を受けるようになりました。

 当然人間関係はうまくいかなくなり、困った私は親に相談したのですが、そこで返ってきた言葉は「部活中きちんと集中してないからだ、何事も頑張ってやろうと思えば自然とミスもなくなるし、話も聞けるようになる」という精神論でした。それを聞いた私は、「ああ、私の努力が足りないのか、もっと頑張らなければ」と思うようになります。

 しかし、障害の特性による苦手なことを精神論で乗り切ろうとしてもできるはずがなく、理想と現実のギャップは大きくなる一方でした。私の自己肯定感はぐんぐん下がっていき、最後には不登校に陥ります。「何をやっても私はダメな子なんだ」という思いに押しつぶされ、結局その部活は辞めてしまいました。

 発達障害による二次障害は自己肯定感の低下から始まります。ここで対処できていれば将来起こる適応障害は防げたかもしれません。

[コミュニケーション障害]

 部活で人間関係に失敗した私は、人と関わることが怖くなってしまい、中学時代はひとりも友達ができないまま終わります。高校に入学し、今までの人間関係がリセットされると、私に話しかけてくれる人が何人か現れました。ようやく友達ができ、喜んだのも束の間、学年が上がった途端、友達は距離を置くようになりました。

 当時はその原因が分からず、離れていく友達をなすすべもなく見ていましたが、今になって思うと、私は友達の言葉の意味を正確に把握できず、一方的に見当外れなことばかりを話していたような気がします。それまで友達がひとりもいなかった私は、コミュニケーション能力を身につける機会がなく、更にそこに発達障害の「人の話を聞き取れない」という特性が追い討ちをかけ、結果として友人との会話が全くかみ合わなかったのです。

 おそらく友達は、学年が上がってクラスが分かれたタイミングで私を見限ったのでしょう。友達がゼロになり、また人間関係をやり直す。高校時代はそんなことを繰り返していました。

[適応障害]

 大人になって就職した職場は皆寛大で優しく、多少私が的外れな言動をしても「またまた~」と笑ってくれる人ばかりの恵まれた環境でした。しかし、信頼され、任される仕事量が増えていくと、次第に私は追い詰められていきます。複数の仕事を同時進行する能力が極端に低く、新規の仕事は人の3倍時間をかけないと覚えられない。ケアレスミスも多く、数字やお金が関わる仕事は必ずどこか間違っている。上司や同僚に多大な迷惑をかけ、へとへとになって帰宅する毎日。

 加えて、この仕事をしている間に結婚し、主婦の仕事もきちんとこなさなければと頑張っていたつもりだったのですが、気がつくと部屋に物が散乱、流しも1日に1度片付けられればいい方。洗濯物を何日も溜め込み、着て行く服がないと主人に怒られ謝り倒したことも、一度や二度ではありませんでした。

 他の人は仕事も家事もきちんとこなしているのに、どうして私だけこんなにうまくいかないんだろう・・・。気がつくと、仕事中に突然涙が溢れるようになっていました。もう限界だと思いつめ、そのまま退職。精神科を受診すると「適応障害」との病名がつきました。

 振り返ってみると、こんなにも発達障害による二次障害を抱えていたことに驚きます。子どもの頃に発達障害が知られていれば、周りの人が気づいて歯止めがかかったかもしれませんが、現実はそうはなりませんでした。

 今も自分が発達障害だと気づかず、生きづらい毎日を送っている人がいるのだと思うと、切ない気持ちになります。努力が足りないわけでは決してない、他の人と脳の機能が違うのが原因なんだ、と知ったとき、私は初めて自分の今までを許容できるような気がしました。だから、今同じ思いをして苦しんでいる人にもっと発達障害のことを知ってもらいたい。あなたは本当に頑張っているんだ、と声を大にして伝えたいです。

[参考記事]
「発達障害の「二次障害」とは何か。放置すると大変なことに」

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