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発達障害の二次障害により不登校に。親への暴力も

 

この記事は40代の女性に書いていただきました。

……….

 現在中学2年の息子は、ADHDと診断を受けています。そんな息子が不登校になったのは、小2の秋でした。それと同時に不登校よりももっと避けなければならなかった二次障害になってしまいました。不登校も二次障害に含まれますが、他にも暴力を振るう行為が現れてしまったのです。

 発達障害は生まれつきのものですが、二次障害は周りのケアで防げるものです。二次障害にならないために親である私が早く気づくことが出来たらと後悔ばかりです。その頃の体験談をお話したいと思います。

[二次障害とは]
 発達障害に対して療育などで適切な対応をしてこなかった結果、鬱や不安障害などの障害が生じることを言います。発達障害を原因とする「二次的な障害」という意味です。

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☆小学校の入学

 元々幼少期から手のかかる子であると思っていましたが、男の子である事と初めての子育てという事によって、疑問をいだきつつも、忙しなく毎日が過ぎていきました。

 それが小学校という集団生活に入った途端、息子の「他の子とは違う感」がどんどん浮き彫りになっていきました。

〇書字が格段に苦手
〇宿題を5時間以上やっても終わらない
〇友達と遊ぶ時に、ルールを守れず仲間外れにされる

 何か原因があるのではないか?と頭をかすめるも、学校ではそれなりにやっているようで担任に相談しても当時は「発達障害」のはの字も出てきませんでした。今思えば、息子なりに必死で周りに合わせていたのかもしれません。

☆息子に現れた変化

 小2になり、担任の先生が変わると少しずつ息子にも変化が現れ始めました。1つ目は朝の登校前に吐き気をもよおすようになったことです。しかし下校するとケロッと元気に外へ遊びに行くので、気にはなりつつも様子を見ることにしました。幼い本人は吐き気の原因に気づかず、そして私は「熱がなければ学校は行くもの」という昔ながらの固定概念にとらわれて、当時は騙し騙しで言葉巧みに息子のモチベーションを上げながら、学校へ送り出していました。

 そして2つ目の変化は宿題で提出する文字の書き取りの字の崩れ方です。毎回毎回、提出しても先生からやり直しが続き、その他の宿題に上乗せして宿題は増える一方。春に書いてた字よりも、夏に書いてる字の方が明らかに崩れているのです。そもそも先に書いたように、入学した頃から格段に周りよりも字がうまく書けない上に、宿題にかける時間が毎日5時間以上。深夜になっても終わらない宿題に、親の私ですら「もうここまででいいよ」と何度声を掛けたか分かりません。それでも息子は「宿題はしていくもの」というこだわりが強く、やめることはしませんでした。時には集中力が続かない息子に、「早くしなさい!」と怒った事も数知れずです。

 しかし、そのうち「さすがに、これはおかしい。何か障害を持ってるなら出来ないことで怒られるのはかわいそうすぎる」と強く思い始め、主人に検査に行かないかと相談したのが夏のことでした。

 親の私たちが市の教育センターに問い合わせをし段取りを組む一方、「自分は何をやってもダメだ」という自己肯定感の低下とうまく気持ちを文章化できない特性を持つ息子の小さな心は、たくさんの苦しみで破裂寸前だったのです。

☆不登校と暴力行為

 運動会が終わった秋には、吐き気だけではなく登校を行き渋り始め、とうとう完全に登校を拒否し始めました。初めは先生が家まで迎えに来てくれていましたが、強く嫌がるので登校を促すことを止めました。この時から不登校が始まりました。

 その次の日から息子に大きな変化が現れました。目はすわり、鋭く私たちを睨みつけ、怒りをあらわにし、目を離すと目につくもの全てを部屋中にばら撒き始めました。毎日何度も、米、カップ麺などの食料ストック類などたくさんの物をばら撒き、エスカレートしてからは浴槽に貯めてある水を洗面器ですくい、布団にかけた事も。

 行動を止めに入ると更に怒りは増し、抵抗して親を叩いたり蹴りなどの暴力を振い始めました。散らかしたものを片付けるとやはり火に油で、何をしても逆上して手が付けらず一日の終わりが長かったのを覚えています。

☆二次障害にならないために

 息子はサインを出していました。そのサインを、私の勝手な解釈と追われる日々に流されて、気づくのが遅れてしまったのです。しつけと思って、厳しくしていたところもありました。そして「学校の目」も気にしていたところがあったのだと思います。よほどの限り、学校は休むべきではない。宿題は自分の力でやるもの。こういうことが積み重なって、最終的には不登校と暴力の原因を作ってしまいました。

 発達障害児にとってはいろんな特性からとても生きにくい世界で生活しています。小さなサインに気づき、早めのフォローと自己肯定感が下がらないケアを最優先にしていくことこそが、二次障害への回避に繋がります。どうかお子さんに思い当たる節がある時は、この記事を思い出してもらえたら幸いです。

[参考記事]
「発達障害の苦しさからリストカット。誤診されさらに酷い目に」

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